山村洋行事務局長紹介

ch_nippon2010-06-06

事務局長略歴

 山村 洋行(やまむら ひろゆき


 1947年(昭和22年)熊本県生まれ。
 昭和44年防衛大学校(13期)卒業、同年海上自衛隊入隊。


 昭和62年ちとせ艦長をはじめ、しまゆき艦長、
 はたかぜ艦長、 はるな艦長、かしま艦長、
 おおすみ艦長と12年間で6隻の艦長職を務める。


 第2海上訓練指導隊司令、第1練習隊司令、第1輸送隊司令
 東チモール派遣海上輸送部隊(おおすみ、みねゆき)指揮官を経て、平成15年退官。
 現在NPO法人平和と安全ネットワーク事務局長、(株)ライフガードジャパン顧問。

山村洋行事務局長インタビュー

Q:現役時代の役職(最終履歴)とその役割について教えてください。

A:私は平成15年1月、海上自衛隊を定年(56歳)で退官しました。最終の役職は、広島県呉市を母港とする第1輸送隊という部隊の初代指揮官(第1輸送隊司令といいます)で、階級は1等海佐(昔ならば海軍大佐)少将の一つ手前の階級です。

第1輸送隊は、輸送艦で編成されており、有事は主として陸上自衛隊の部隊を離島の防衛とかのために輸送する任務を持っています。当時は「おおすみ」「しもきた」の2隻、現在はこれに「くにさき」が加わり輸送艦3隻で編成されていました。

平時は国際貢献災害派遣、あるいは有事に備えた訓練などをやっており、私が指揮官の時は東チモールPKOの一環として陸上自衛隊の部隊、車両などを日本から東チモールに輸送しました。

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Q:自衛官として最初の任務はどんなことでしたか?

A:海上自衛隊には艦艇勤務、潜水艦勤務、航空勤務などいろいろな勤務がありますが、私は艦艇勤務でした。最初の任務は昭和45年、当時最新の護衛艦であった「ちくご」という艦の通信士でした。(この艦はもうこの世にありません)

通信士というのは、電報で上級の指揮官などに報告を行う際の電報の起案などを行う他、艦が航海するに当たっての航路作成などの準備をおこなう航海士としての仕事もありました。

Q:もっとも長く経験された任務を教えてください。

A:私たちは通常は長くても2年で次の勤務に就くのが通例でした。50歳の折、新しく建造される艦ー先にお話しした輸送艦おおすみ」の初代艦長を務める機会がありました。

初代艦長は艦が造船所で進水するその時から建造に関わっていくのですが、これを「ぎ装員長」と呼んでいます。「ぎ装員」のトップということで艦の細かい造りつけなどを造船所の人たちと調整し、使い勝手の良い艦を造るといったところでしょうか。「ぎ装員長」は初代艦長になりますので、私は「ぎ装員長」を1年4ヶ月、初代艦長として1年間勤務なので、合計2年4ヶ月という長期間になりました。  

Q:現役時代の忘れられない任務の思い出、エピソードをひとつ教えてください。

A:先に東チモールPKOにおいて陸上自衛隊の部隊を東チモールに輸送した、とお話ししました。この際は輸送艦おおすみ」とその護衛として護衛艦「みねゆき」を率いて任務に当たりました。

現地では車両を「おおすみ」搭載のLCAC(Landing Craft Air Cussion)で輸送しました。LCACとはホバークラフトのことです。別府と大分空港間を結ぶホバークラフトがありますが、その軍事用と理解してください。

LCAC(エルキャック)を海外で使うのはこれが初めてで、任務開始直後にLCAC2隻のうち1隻が故障するなど緊張の連続した任務でした。

しかしながら、部下の果敢な努力により任務は完遂することができました。指揮官冥利につきる任務で、退官してからも当時の部下と飲みかわしています。いい部下と出会い、いい仕事に巡り合ったと思っています。細かいことはチャンネルNipponの東チモール回顧録をご覧ください。

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